プロの技術翻訳者になろう!
〜稼げる翻訳者になるためのノウハウ〜
7.1.4 仕事を獲得する
翻訳会社の経営者として数多くの翻訳者を見てきましたが、プロの翻訳者になる一番の早道は翻訳会社に入社して修行することです。 当社の翻訳教室の卒業生も講座終了後に入社し、実際の実務をこなしていますが、翻訳教室で基本的なことをマスターしているので、 実務での翻訳の腕もあっという間に上がります。

翻訳会社内で仕事をする上で一番有利なことは「完成品になるまでの過程をすべて体験できる」ことです。 社外翻訳者が仕上げた仕事は翻訳会社内で厳しくチェックし、完璧を目指して完成させます。 この過程で翻訳者のミスを直したり、間違いではないが業界では標準でない表現などを修正します。 社内翻訳者はこのような作業を行いながら、自分でも翻訳するので効率的にかつ正しい方向に向かって早く成長することができます。

翻訳会社に入社する人はごく限られた人です。仕事を獲得する最も一般的な方法は翻訳会社のトライアルに合格して登録翻訳者になることです。 登録するとその翻訳者にふさわしい仕事が発生したときに連絡が入り、納期・単価などの話がまとまると仕事を受注できます。 このとき注意を要するのがトライアルの申し込みと以後のやり取りは、すべてEメールでおこなわれるということです。 そして、トライアルでは翻訳の出来以外にも交信上のマナー、添付ファイル送付の要領の良さ等が厳しくチェックされます。 つまり翻訳会社はトライアルの過程で気持ち良くかつ効率的に仕事が進められる相手がどうか見ているのです。

社外翻訳者に登録し最初の依頼がきた時はとにかくがんばって良い仕事をしましょう。実はこの最初の仕事が実質的なトライアルです。 ここで仕事を断ったり、大きなミスを犯したり、対応がまずかったりすると、まず次からの仕事の話は期待できません。厳しいようですが新しく翻訳の仕事を始めるということは既に活躍している翻訳者の仕事を取ることですから、相当レベルの高い仕事をしなくてはなりません。

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