誰も教えてくれないテクニカル英文和訳
First Step
3.4 前から訳す
英文では一般的に重要な要素を最初に書き、付加的な説明を後から追記します。 日本語では修飾する部分が先にくるので、文法に従ってそのまま訳すと語順が反転し、 わかりづらい文章になります。英文の語順に合わせる目的は、文章構造を同一にすることではなく、内容をわかりやすく伝えるためです。

まず、短い文で確認してみましょう。
Disconnect the battery to prevent the accidental deployment of the airbag.

学校英語で習ったように、to 以下から訳すと、
「エアバッグの不意の作動を防止するため、バッテリを切り離す。」

頭から訳すと、
「バッテリを切り離し、エアバッグの不意の作動を防止する。」

この程度の長さでは、to 以下から訳した場合でも分かり易さにほとんど差はありません。 しかし、こういう短文から「頭から訳す」くせをつけることが重要です。

Insert the locating keys of the bulb base into their seats to obtain correct alignment.
「位置を正しく合わせるために、バルブ基部の位置決めキーを取り付け位置に挿入する。」
「バルブ基部の位置決めキーを取り付け位置に挿入し、位置を正しく合わせる。」


助動詞の付き方が変わってくるため、内容によってはそぐわないことがあります。

The battery must be disconnected to prevent the accidental deployment of the airbag.
「エアバッグの不意の作動を防止するため、バッテリを切り離す必要がある。」
とした場合には must はそのまま disconnect にかかり、「切り離す必要がある」となっています。ところが、頭から訳した場合には、
「バッテリを切り離し、エアバッグの不意の作動を防止する必要がある。」
と、must prevent にかかることになります。
細かいニュアンスを出さなければならない場合は注意が必要ですが、意味的には大きく変わっているとは言えません。 これで充分意志を伝えていると思います。

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