テクニカルライティングと
技術翻訳の秘訣（増補版）

第１章 テクニカルライティングの基本

本章では、テクニカルライティングとは何か、そして、その基本的な原則について説明します。

1.1 ライティングとは

文章を作ること（ライティング）は骨の折れるものです。人に何かを伝える場合、できることなら口頭で、一番良いのは以心伝心で伝えたいものです。
これは一緒に生活している人または同じ知識を共有している人であれば可能かもしれません。
色々な人が多く集まって活動している企業には膨大な量の伝えたい情報があります。
また企業外や海外との接触の機会も多くあり、書いたものが重要な情報伝達手段です。
現代は上手に文章を作り、伝達することが成功の大切な要素かもしれません。

ライティングの種類には、大別して次の三つがあります。

● 文芸のライティング．．．．．．．．．自分の世界を表現する。
● ビジネスライティング．．．．．．．．相手の行動を誘発する。
● テクニカルライティング．．．．．．．事実および行動を明確にする。

例えば、あなたの車が故障した場合
「何時、どんな状態で、どうなった？」という事実を書くのがテクニカルライティングです。
「だからメーカーにどうしてほしい。」と相手の行動を誘発するのがビジネスライティングです。

技術翻訳のトランスワードが発行している書籍「テクニカルライティングと技術翻訳の秘訣（増補版）」の一部を掲載しています。
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