テクニカルライティングと
技術翻訳の秘訣(増補版)
技術翻訳の秘訣(増補版)
4.12 バイトとチップ
「コンピュータ用語でバイトとはbyte(= 8bit、情報の大きさを表す単位)、チップとはchip(電子回路が組み込まれている素子)のことです。
これに対し旋盤等の工作機械、つまり金属を加工する話の場合にも、バイトとチップという言葉が出てきますが、この場合、まったく別のものを意味します。ここでいうバイトとは被加工物を削るための刃物のことで、英語にすると cutting tool です。またチップとはその cutting tool の先端部分(刃先)のこと、英語は tip です。
しかし、工作機械に関する技術文書を翻訳している時は、cutting tool、tipのことをいっていると単純に考えることはできません。最近の工作機械のほとんどはコンピュータで制御されているので、バイトとチップはbyte、chipのこともあります。
要は、今何の話をしているのかよく考えて適切な用語を選ぶことです。
技術翻訳のトランスワードが発行している書籍「テクニカルライティングと技術翻訳の秘訣(増補版)」の一部を掲載しています。
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