テクニカルライティングと
技術翻訳の秘訣(増補版)
技術翻訳の秘訣(増補版)
4.3 錆、磨耗
錆には rust と corrosion がありますが、rust は主として鉄に発生する赤い錆のこと、corrosion はもっと広い意味での錆、腐食のことです。
原稿を読んで上記の区別が付かない場合、corrosion にしておけばまず間違いありません。プラスチックの腐食も人間の心の腐食も corrosion でOKです。
原稿を読んで上記の区別が付かない場合、corrosion にしておけばまず間違いありません。プラスチックの腐食も人間の心の腐食も corrosion でOKです。
磨耗には wear と abrasion があります。
wear は広い意味での磨耗で、波で岩が浸食される場合も wear を使います。人間が疲れたときも wear です。
abrasion (abrade) は機械の摩滅、擦り傷などです。よって繰り返し接触する機械部品の磨耗は、正しくは abrasion (abrade) です。
但しマニュアルなどで「磨耗した部品は取り替えなさい。」とあったときには、機械的摩滅だけではなく、機能的性能・色等の劣化も含んで言うことが多いので、wear にしておいた方が無難です。
技術翻訳のトランスワードが発行している書籍「テクニカルライティングと技術翻訳の秘訣(増補版)」の一部を掲載しています。
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