【翻訳技術編】
油圧というのは油の圧力ですよね。
hydraulicという単語を辞書で引くと水圧と油圧があってどちらにも使うのですが、水を使っていたら水圧で油を使っていたら油圧、いわゆる液体の圧力を利用していろんなことをする機械です。一番身近なのは油圧ジャッキです。
ジャッキというのは物を持ち上げる機械です。たとえば車がパンクし持ち上げる場合は、手動式のジャッキを使用します。
車にもともとついているのは油圧式ではなくて手動式です。油や水は圧縮してもあまり縮まりません。
空気はよく縮まりますが、油や水は縮まらないのでその性質を利用します。基本的にはある閉じ込められた空間に油を強制的に送り込み、圧力を高くして何かを動かします。
水を使うときもありますが、水は錆の原因にもなりますし、凍ります。ほとんどは油を使います。
車のブレーキなども油圧機械です。
車のブレーキはペダルを運転者がぐっと踏むとその力を油の圧力に換え、タイヤをはさむメカニズムが油の圧力で円盤をはさんで摩擦を起こし、タイヤの動きを止めます。
圧力のかかった油を中に入れると作動するシリンダを油圧シリンダといいます。この油のことを作動油といいます。圧力がかけられて仕事をする油です。
その他に潤滑油というものもあります。摩擦を生じるようなところに油をさし、なめらかにする、すべらすようにするための油です。潤滑というのはすべらすという意味で、潤滑させるためのオイルが潤滑油です。
作動油と潤滑油でまったく同じ油を使っている場合があります。同じ油でも使用目的が違うことがあるわけです。ただし、違う種類のものを使っている場合のほうが多いでしょう。
普通、機械に使用するのは作動油と潤滑油です。「油を差す」というのは潤滑油を注入することです。「油をきちんと管理しなさい」ということは、たとえば、「量が正しく入っているかどうかいつもきちんと点検しなさい」とか、「ごみが入っていないかどうかチェックして、ごみがあったらごみを取り去るか油を取りかえなさい」とか、そういうことを意味しています。
ここでわかって欲しいのは油圧機とはどのようなもので、作動油と潤滑油はどのようなものかということです。技術関係の翻訳をやっていたら知らなくてはならない言葉が、これからもたくさんでてきます。
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