技術を学ぶ翻訳者養成講座
【翻訳技術編】
【翻訳技術編】
7.7 シグナルワード
シグナルワードというものがあります。マニュアルにはよく出てくるのですが、Danger、Caution、Warning、Note、Notice などのことです。重要なことを言うときに一連の本文とは独立した形で注意事項を述べるときに使います。
シグナルワードにはそれぞれに異なった意味合いがあり、重要度が違います。
シグナルワードにはそれぞれに異なった意味合いがあり、重要度が違います。
シグナルワードは通常すべて大文字にします。
DANGER : 危険
WARNING : 警告
CAUTION : 注意
NOTE : 注、注記
NOTICE : 注、注記
DANGER を和訳する場合は「危険」と訳します。他の表現はありません。WARNING は「警告」、CAUTION は「注意」です。NOTE と NOTICE に差はありません。「注」または「注記」と訳します。
マニュアルの原文を書く人の中には、シグナルワードの定義を知らないで書いている人がいます。「注」と書いてあるのに、内容はそれを怠ると生死にかかわるようなことが書いてあったりします。
そういう場合は、「ここはシグナルワードの使い方が間違って『注意』になっていましたので、『警告』という意味の WARNING と訳しました」とコメントを付けて翻訳することもあります。
マニュアルの目的は安全に機械を使ってもらうことなので、してはいけないことがたくさんあります。その意味で、シグナルワードは非常に大切です。
日本規格協会から「ANSI製品取扱説明書作成ガイドと安全標識・警告ラベル」という本が発行されていますので、入手して研究することをお勧めします。
警告ラベル一例
Entanglement (巻き込まれる) |
Pinch (はさまれる) |
Cut/server (切る/切断) |
技術翻訳のトランスワードが発行している書籍「技術を学ぶ翻訳者養成講座【翻訳技術編】」の一部を掲載しています。
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