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翻訳進路相談【初級編】

これまで弊社に寄せられた質問の中から代表的なものをまとめました。
翻訳者を目差す人、翻訳者としてステップアップしたい人に参考にしていただければ嬉しく思います。
このほか、当社が業務を通じて会得してきた情報は
『プロの技術翻訳者になろう~稼げる翻訳者になるためのノウハウ~』
という一冊のテキストにまとめ、販売しております。
翻訳業についてさらに詳しくお知りになりたい方はこちらもご参考ください。
  • 初級編、翻訳を始めたい
  • 中級編、もっと知りたい翻訳のこと
  • 上級編、いい仕事をするには
【Q1】独学で英語を再勉強中です。今後どのような勉強をしていけばいいでしょうか?
翻訳者を目指すのであれば、まずは中学英語をマスターした後、英文の本を大量に読んでください。
最初はやさしい内容をやさしい英語で書かれたものがいいでしょう。
多様なジャンルの文書をやさしい英語表現でまとめたReaders digestがお薦めです。私も英語の勉強中には愛読して、とても効果がありました。

基本的な語学の勉強と共に専門的な知識も身につけなくてはなりません。
これも、対象となる業界の本を読むことで力がつきます。
実際の技術翻訳の仕事は自動車、コンピュータ関連が主ですから、主にこの業界の本を読むといいでしょう。

そして一定の語学力と専門知識(基礎的な知識で十分)が身についたら、実際の翻訳で要求されるルールやテクニックを修得しなくてはなりません。
プロの翻訳者が講師を勤める翻訳講座を受講するなどして、直接指導してもらうのが近道といえるでしょう。
【Q2】翻訳に向き不向きはありますか?
語学も翻訳も人によって向き不向きはありません。
要はどれだけの情熱と時間を割いて勉強するかです。

長年英語を勉強してきたのにほとんど上達しない、という人に共通しているのは「だらだら少しずつ勉強している」ことにあります。
人間は覚えたことをどんどん忘れていく動物ですから、「忘れるより早く(多く)覚えること」が上達のポイントになります。
いかに短期間に集中して勉強するかです。

翻訳も同じです。毎週1回の勉強では目に見えた進歩が感じられないはずです。進歩が感じられなければ勉強する意欲も失われてしまいます。

本当にやりたいのであれば、他を犠牲にしてでも猛烈にがんばることが大切です。
短期間でかなりのことが身につけば楽しくなり、ますますヤル気になります。

翻訳を志しているなら、まずは大量の読書(英語と日本語)です。
読書を積み重ねていくと、同じサブジェクトを英語ではどう表現する、日本語では普通はこう言う、といったことが自然に身につきます。
そして語学力がついたら、翻訳に不可欠なルールやテクニックを学んでください。

翻訳者になるために習得しなければいけない事はたくさんありますが、本当に必要な事はただ1つ、情熱です。
がんばりましょう。
【Q3】技術翻訳の勉強を始めるには、専門を決めて勉強したほうがいいですか?
それとも全般的に学んだほうがいいでしょうか?
技術翻訳を仕事にするなら、まずその業界のことを知らなくてはいけません。

・翻訳を仕事にするには、どの程度の力が必要なのか
・仕事が多くて、有利なのはどの分野か
・実際の翻訳者はどのように仕事を獲得し、稼いでいるのか
・効率よく仕事を進める方法はあるのか
こういったことを知っておくと、効率的に勉強を進めることができます。

現在、翻訳の需要が多いのは自動車とコンピュータの分野です。
これらの分野の専門知識を持っていると有利です。

しかし、これらの分野の技術を理解する前に基礎知識を身に付ける必要があります。
機械、電気、コンピュータなどをある程度理解するための知識です。
この基礎知識がないと専門書を読んでも全く理解できず、途中で挫折してしまうケースが多いからです。

翻訳者にはエンジニア程の深い知識は必要ありません。
中学や高校で勉強する理科、物理、電気の基礎知識で十分です。
この程度の知識があれば市販の技術系の本を読んでも理解でき、自分でレベルアップが可能です。

技術翻訳者を目指す人にはまず、物理の基礎の勉強をお勧めします。
【Q4】翻訳の仕事に年齢制限はありますか?
年齢制限がないのが翻訳の良いところです。

体力と気力の衰えと共に当然生産性は落ちてしまいますが、本人がやめようと思わない限り、いくつになっても可能です。
私の知人ですが、70代で現役翻訳者としてがんばっている方もおられます。
【Q5】翻訳を始めたいのですが、何か必要な資格があるのでしょうか?
翻訳には資格は必要ありません。

翻訳関連団体による資格認定も実施されていますが、その資格があるから有利になることはまずありません。

資格認定、工業英検(1~2級)の取得は、実力証明の手段として考えられるのが好ましいと考えます。
【Q6】工業英検の受験は翻訳の勉強に有効でしょうか?
工業英検の勉強は確かに有効です。
実務で技術翻訳の仕事をしている人なら工業英検2級は問題なく合格できるようです。
以前、スタッフ翻訳者5名が2級を受験してみたところ全員合格し、 うち2名は成績優秀者として表彰されました。

技術翻訳を勉強するための教材やお手本は残念ながら多く存在しません。
機密性の高いドキュメントですから、翻訳会社外で目にする機会も稀でしょう。

ですから、まず工業英検2級を取得し(取得に向けた勉強をし)、次に翻訳学校で専門的に勉強することをお薦めします。通信教育でも構いません。
翻訳学校の講師の大半は実務で活躍している翻訳者ですから、 一般の本に書かれていないことも教えてもらえるはずです。

何でも同じですが、何らかの技術や技能を身に付けようとすれば、その道の達人に指導してもらうのが一番です。
【Q7】トライアルというものがあると聞きました。トライアルとは何ですか?
新人翻訳者が仕事を始めようとする場合、通常は翻訳会社のテストを受け、合格すればその会社の登録翻訳者になり、仕事がもらえる仕組みになっています。
このテストをトライアルと呼んでいます。

翻訳者の評価をする場合、資格類は一応の情報として考慮しますが、合格か不合格かはこのトライアルの成績で決まります。

トランスワードでもトライアルを実施しています。
実際に翻訳会社が課すトライアルがどんなものなのか参考にしてください。
【Q8】文化系出身です。技術翻訳には文化系より技術系の方が有利ですか?
翻訳志望者の約8割は文科系(英語)の勉強をしてきた人達です。

残りの2割が技術者出身で英語もできる人達で、圧倒的に技術分野の需要が高い現在の翻訳業界では有利な立場になります。

しかし仕事として商品になる翻訳をするにはどこに出しても恥ずかしくない、クレームの発生しない文章に仕上げることが重要です。

文科系出身者は技術系出身者よりも言葉に対するセンスが優れてるものですから、もしあなたが英語をある程度マスターしているのなら、次にすべきことは技術翻訳のための技術分野の基本知識を身に付けることです。

中学・高校レベルで十分ですから、技術分野の知識を仕入れてください。
物理や電気の事には背を向けて学生生活を過ごした人も多いでしょうが覚悟を決めて技術の基本を復習しましょう。
【Q9】翻訳の仕事は在宅でもできるのですか?
フリーランスとして働く多くの翻訳者は在宅で仕事をしています。
弊社でもそういった翻訳者に仕事を依頼することがよくあります。

その依頼額は、1ヵ月あたり数万円、頻繁に依頼する翻訳者になると数十万円と翻訳者のレベルによって幅があります。

在宅翻訳者の需要は多くありますが、発注者側が期待する品質に仕上げられる翻訳者は多くいないというのが現状です。
【Q10】専業主婦です。翻訳者を目指すにはどうすればいいでしょうか?
当社がお付き合いをしている在宅翻訳者にも、 主婦業の傍らに翻訳の仕事をこなされている方が多くおられます。

問題はどのような能力をどの程度身につければ収入が得られるようになるかです。

フリーの翻訳者への要求レベルは非常に高く、常に最高の品質が求められます。
業界の要求水準を知り、それを満足させる能力をつけなくてはなりません。
一般に翻訳教室で教えている先生達はプロの翻訳者ですから、そのような教室に通って直接指導を受けるのが効率的な方法です。

私の場合は読書を中心に翻訳の勉強をしました。
仕事の専門分野が電気でしたから、電気に関する日本語と英語の本を多読しました。
英語と日本語の本は同じ(翻訳版)である必要はなく、同じ類の本で構いません。
読書の積み重ねを通じて自然な文章が身につきます。

次に、翻訳業界では欠かせない標記ルールや色々な約束事を勉強しました。
これを知らなくては実際の仕事はできません。
実際に翻訳業界に入ればすぐに身につく知識なのですが、在宅学習の場合は業界の雑誌や翻訳会社のホームページなどで情報を集めて学ぶことも可能でしょう。

「翻訳者になりたいけれど、フリーで仕事をするにはいまひとつ自信がない」という人は世の中に多くいます。多くの人はそのままで終わってしまいます。
翻訳に限らず何かを達成したいと思うのであれば、強い意思とヤル気が必要です。
絶対にプロになるんだと思ってがんばれば必ず実現します。
ぜひともヤル気を出してプロの翻訳者になってください。

当社のホームページには勉強のヒントになる情報が多数掲載されています。
一度じっくり読んでみてください。やる気になりますよ。
目標をしっかり持ってがんばりましょう。
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