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翻訳進路相談【上級編】

これまで弊社に寄せられた質問の中から代表的なものをまとめました。
翻訳者を目差す人、翻訳者としてステップアップしたい人に参考にしていただければ嬉しく思います。
このほか、当社が業務を通じて会得してきた情報は
『プロの技術翻訳者になろう~稼げる翻訳者になるためのノウハウ~』
という一冊のテキストにまとめ、販売しております。
翻訳業についてさらに詳しくお知りになりたい方はこちらもご参考ください。
  • 初級編、翻訳を始めたい
  • 中級編、もっと知りたい翻訳のこと
  • 上級編、いい仕事をするには
【Q1】トライアルに合格したのですが、仕事がきません。
翻訳会社から見た仕事を依頼したい人の条件を考えてみてください。

1.品質の高い翻訳ができる。
2.ルールや指示をしっかり守る。
3.イージーミスがない。
4.きつい納期でもかんばってくれる。
5.翻訳料が安い。
6.マナーが良い。

翻訳会社ではこれらの要素を総合的に判断して依頼する翻訳者を選んでいます。

翻訳を勉強中の人は上記1番の品質にばかり目が行き、他の要素を軽視してしまう傾向にあるようです。

翻訳会社に入って仕事をしてみればすぐに分かることなのですが、在宅で仕事や独学をしている人にはなかなか思い当たらない事のようです。
【Q2】プロ翻訳者になるにはどうしたらよいでしょうか?
プロ翻訳者には以下の能力が必要です。
1.高い語学力(読解力と表現力)
2.翻訳する分野の基礎知識
3.翻訳する分野によって異なる文体、用語、標記スタイルの知識(翻訳テクニック)
4.仕事を獲得する営業力

リーディングに的を絞り語学力をレベルアップさせてください。
一番の対策は大量の読書です。可能な限り多く本を読んでください。
小説家志望者が多量の本を読むことで自分の感性と表現力を磨くのと同じことが翻訳者にも言えるのです。

重要の多い技術翻訳を目指すのであれば、基礎知識として中学や高校レベルの物理の知識が必要です。
なるべくやさしい物理の本を英語と日本語で読んで習得してください。
この基礎があればたいていの技術文書を理解できるようになります。

翻訳テクニックは残念ながらこれといった教科書はありません。
多くの人は読書や実務の翻訳を通じて経験で修得しています。

参考になる本がほとんどないため、トランスワードではこの点に的を絞った参考書を販売しています。

プロ翻訳者への一番の近道は、翻訳の仕事をしながら先輩(先生)に鍛えてもらうことです。 それが無理なら自分で工夫して同じような経験をすることも可能なはずです。

また、だらだら少しずつ勉強するのではなく、短期に集中的に勉強することも大切です。
半年努力すれば自分でも驚くほど実力がアップするはずです。
がんばってください。
【Q3】IT関連の翻訳をしていますが、最近この分野の仕事が減ったように思います。
これから伸びる分野は何ですか?
IT関連の英日の仕事は全体的に減少しており、現在この分野で忙しくしているのは一部の実力ある翻訳者に限られているのではないかと思います。

この分野の英日翻訳は基本的に海外の製品を日本に輸入する場合に発生しますが、主軸となる米国のIT業界に勢いがない以上、好転は難しいといわざるを得ません。

したがって、この分野で多くの仕事を獲得しようと思えば、翻訳者としてスキルアップを図る以外に方法はないでしょう。仕事の全体量が少ないので仕方ありません。

反対に翻訳の増えている業界もあります。

当社が手がけている工業技術関連は特に日英の仕事が多い分野です。
例えば自動車関連では、海外工場の新規設立に関わる書類などの翻訳業務があります。自動車そのものだけでなく、工場で使うITシステムの翻訳も多く存在します。

翻訳に限らずビジネスは繁盛している業界や会社と付き合うのが鉄則です。
フリーの翻訳者として活躍するには技術系の日英翻訳を手がけるのが最善の方法だと思います。

翻訳に限らず、何かを達成するためには強い意志と行動力が必須です。
行くべき方向をしっかり決めて、行動を起こしましょう。
【Q4】企業内翻訳者、翻訳会社の翻訳者、フリーの翻訳者の違いを教えてください。
翻訳会社の翻訳者には、企業内翻訳者よりも幅広く高い能力が求められます。
翻訳会社では様々な分野のクライアントと付き合わなくてはならず、クライアントからはより厳しい要求が寄せられるからです。

フリーの翻訳者の場合は、さらに高い能力が必要です。
原則としてひとりで問題を解決しなくてはならないからです。

仕事の幅と能力アップのためには翻訳会社内の翻訳者として働くのが一番です。お客様の品質に対する期待度が高く、仕事の内容も幅広く、 そして自分で解決できない問題は先輩や上司に助けてもらえるので、 急速にレベルアップできます。

当社では翻訳講座の卒業生から優秀な人を社内スタッフとして採用していますが、入社後の上達度は目を見張るものがあります。
【Q5】現在スペイン語を学んでいます。英語以外の言語の需要はあるのでしょうか?
トランスワードは技術翻訳を主に扱っています。この分野の仕事量が断然多いからです。
そして取扱い言語の95%は英語です。残りはドイツ語、フランス語、中国語です。

残念ながらスペイン語の翻訳はめったにありません。
工業技術の分野での日本とスペイン語圏との交流が少ないからだと思います。

スペイン語の翻訳通訳への需要は低いのですが、その分レベルの高い翻訳・通訳者も少ないはずですから、いい仕事をすれば報酬も高いのではないかと思います。

需要の多くない言語の翻訳・通訳をする場合、専門分野を絞るとさらに仕事が減ってしまいます。幅広い分野をそつなくこなすことが必要でしょう。

また、多くの会社(クライアント見込み先)に存在を知ってもらわなくてはなりません。
募集のあるなしに関わらず、履歴書/経歴書をできるだけ多くの通訳・翻訳担当に送付しておくのも良いかもしれません。
翻訳や通訳の仕事は突発的に発生することが多く、そんな時に「そういえば○○さん」と思い出してもらえれば仕事に結びつく可能性が高くなり、また、一度実績を作れば継続的な関係が築けるでしょう。

ホームページで自分をアピールできる手段を持つのもよいかと思います。
特殊な言語の翻訳通訳者をインターネットで検索することもあるからです。
実績など記載しておけば、たまたま見つけた相手から声がかかるかもしれませんから仕事を獲得する可能性がずっと高くなるでしょう。
【Q6】これからはTRADOSなどの翻訳メモリツールの習得も必須だと聞きました。
コンピュータに詳しくないのですが、TRADOSの独学は可能ですか?
翻訳ソフトの仕組みを詳しく理解するにはコンピュータに精通している必要があります。
しかしTRADOSの操作そのものは単純で、慣れてしまえば難なく使用できますから、一般的なコンピュータ知識さえあれば問題ありません。

弊社でTRADOS初心者にレクチャーする場合には、初めに全体像の説明を、その後操作の指導という手順を踏みますが、皆さん一日で問題なく使えるようになります。

一般にTRADOSが難しいと言われるのは、付属のマニュアルが理解しづらいことが原因のようです。操作の知識がある人に教えてもらえばすぐに解決できることなのに残念な話ですね。

TRADOSなどの翻訳メモリツールの習得も重要ですが、各種コンピュータソフトの操作スキルを磨くことも必須になってきました。

最近では「翻訳だけ」という依頼は減少しており、翻訳と同時に編集(レイアウト)することが一般的になりつつあります。
ワードやエクセルといった基本ソフトはもちろん、HTMLファイルやsgmファイルの扱いも常識になるなど取扱わなくてはならないファイルの種類も日々増えています。

翻訳力だけでなく、パソコンスキルの向上にも努力しましょう。
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